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今年も冬コミの時期がやってきました。 今回のComi-Naviでは夏とはまた違ったノウハウが必要になる冬のビッグサイトで元気に、快適に過ごすためのノウハウをメインにお送りします! 『どんな準備が必要なの?』『何に気をつければいいの?』という方は必見!
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■アウトドアショップへ行こう■
夏にも薦めたポリエステル系即乾素材を用いたウェア類は、冬でもそのまま活用できる。 更に冬用にはアウトドアウェアの素材として長い実績を誇るウールや、最新の皮膚から発散される水分を吸収してそれ自体が発熱する化学繊維など、これまた様々な性能のものがある。ありふれたフリースやダウンにしても、1ランク上でさらに高性能化や収納に工夫が施されたものが揃っている。、 |
■アイディアグッズ『筒膝かけ』■ 膝掛けをかけても脚の裏側が冷える、という経験はないだろうか? |
さて、なぜこれほどまで『身体を濡らさないように、冷やさないように』と書いているかといえば、それは低体温症を予防するためにほかならない。
低体温症とは、水に濡れたり、寒い場所に長時間いたりすることによって体温が下がり、身体機能に支障をきたす状態のことで、重症の場合は死にも至る夏の熱中症の逆ともいえる一種のショック症状である。
これは特に手足が冷えた場合、冷えた血液が胴体部に戻ることによって体温がどんどん低下していってそのまま陥る場合が多く、また放っておくと簡単に重症化しやすい性質のものなので、本記事では、しつこい程に防寒と断熱の必要を延べてきた。
もし行列中などに以下のような状態の人を見かけたら、低体温症が疑われる。
また、行列中だけでなく、閉会後の脱力状態の時や、コスプレで薄着をしている時、スペースの中でじっとしている時など、様々な場面で発生し得るものだという認識はもっておいてほしい。
・震えていたのが、徐々に止まる。
・今まで話していたのが急に無表情になる。
・言葉の発音が不明瞭になったり、ろれつが回らなくなる。
・顔色が蒼ざめ、目の動きが鈍くなる。
・手足だけでなく、首筋や背中等も冷たくなっている。
・身体の動きが緩慢になり、立てなくなったり、足がもつれたりする。
・急に泣き出したり、意味の分からないことを話しだしたりする。
また、こういった状態の人は、低体温症に陥りやすい。予防策をよりしっかりと講じておこう。
・食事をきちんと摂っておらず、空腹である。
・日頃から標準体温や血圧が低い。
・風邪気味などで体温調節機能や代謝機能が落ちている。
・前日にアルコール類を摂取し、それが残っている(二日酔い状態)。
・汗を多くかいた、雨などに濡れたまま、十分な防寒をしていない。
・過度の疲労状態、睡眠不足状態である。
これも熱中症同様、早めなら簡単な対処で回復することができるが、状態が進んでしまうと自力での回復が困難である。複数の項目に該当が見られるようなら、本人が『大丈夫』いっていても念のため早めにスタッフに知らせてほしい。
なお、低体温症の症状は一見すると貧血に似ているが、貧血からこちらに移行する場合も多いので、どちらにしても安全を考えて早めにスタッフを呼ぼう。
では低体温症を予防する為にはどうすればよいのだろう?
予防は簡単、ようするに体温を上げてやればよいのだ。
・食事を摂る。暖かい飲食物を摂る。
・定期的にチョコレートなどの甘いものを摂る。
・時々身体を動かす。手足をマッサージする。
・カイロなどで膝裏、脇、首筋などをよく暖める。
ただし、上記のような低体温症の症状を見せてぐったりとしてしまっている場合は一刻も早い専門家の治療が必要である。
不用意にマッサージを行ったり、身体を揺さぶったりせずに、上着やひざ掛けなど少しでも暖かいものを掛けてこれ以上体温が低下するのを防ぎながら、すぐにスタッフを呼ぼう。
意識がまだはっきりしているようなら、暖かい飲み物を少しづつ飲ませるのもよい。
どれだけ防寒をしっかりしていても、空腹では肝心の体温が上がらない。くれぐれも食事はしっかり摂り、それができない場合でもお菓子類でもよいから、お腹に入れておこう。まずそれが一番最初の予防策なのだ。
そのためもあるので、是非小型魔法瓶などに温かい飲み物(好みにもよるが甘いものが望ましい)を入れて持参することを強くお薦めする。
最近徐々に知名度を増してきたものの、まだまだ聞きなれない名前のこの病気、正式名称を肺動脈血栓塞栓症という。
長時間同じような姿勢でじっとしていたあと、立ち上がって歩き出すとその途端に胸が苦しくなったり、呼吸障害をおこしたりして倒れてしまうというものだ。
原因はじっと同じ姿勢でいることと、体内の水分が少なくなることによって血行が悪くなった足の血管内にできる血液の塊。これが動き出した際に血流に乗って肺に至り、肺の血管に詰まることによって発生するのだ。
飛行機でエコノミークラスの狭い座席に長時間座っていて発症することが多かったためにこの名前があるが、同様の条件下では頻繁に発生しうるものだ。
寒く、トイレを我慢して水分を控えることが多く、数時間にわたって殆ど動かずにいることも多い…と、サークルであれ、一般であれ、コミケはこの病気の実に発生しやすい状態にある(特に高速バスなどを利用して移動される方は二重にその危険がある。十分に注意されたい)。
予防策は水分をこまめに摂ること、定期的に身体を動かしたり、手足をマッサージしたりすること。
一般行列でもトイレには最初から1回くらいは行くつもりで、身体に過剰な負担をかけないようきちんと水分は摂り、早め早めに動くようにしよう。こまめな水分補給は喉を乾燥や埃から守るのにも有効だし、1時間1回くらい身体を動かすのは前述の低体温症予防にもなる。サークルでも一般でも、あまりじっとしていすぎるのは身体によくない、ということを覚えておこう。
前述の2つと異なり、この症状は動いている最中に起こる。
夢中になって会場を歩きまわっていてふと一息ついたとたんに、まだそれほど疲労はしていないはずなのに急に手足に力が入らなくなってしまったり、座った瞬間に身体の力が抜けて立てなくなってしまった、急にぼーっとして意識を失いそうになったなどの経験をしたことはないだろうか?
それがスポーツ界で『ハンガーノック』と呼ばれる状態で、簡単にいえば『身体を動かす燃料切れ』である。
急激な運動や長時間にわたるエネルギー補給がない状態での運動で血液中の糖分が消費され尽くしてしまうことで発生する。
これはほとんど前触れもなく突然に発生する。酷いときでは数時間意識はあるのに身体が全く動かないといった恐怖体験をすることもあり、さらには、食欲も減退してしまう。また、この状態に陥ると筋肉の痙攣が発生し、手足がしびれたり攣りやすくなったりとさんざんな目にあう。
予防法は、時々休憩をとってチョコレートなどとにかく甘い(カロリーの高い)物を摂ることだ。
最近多くの種類が発売されているエネルギー補給系ゼリー飲料などはこれの予防に大きな効果があるので積極的に活用しよう(ちなみに、味としては甘くてもノンカロリーのものでは意味がないので要注意だ。また、油脂類などはすぐにはエネルギーに変換されないのであまり有用ではない)。
食事をしたら10分くらいは休息をとって十分食べたものが十分にエネルギーに変換されるのを待とう。
ここに挙げた3つの病気は、いずれも予防自体は大変簡単で、反面一度陥ってしまうとなかなか回復が大変な(下手をすれば命にもかかわる危険性すらある)ものである。
コミケという場所は身体にとっても一種の非常時である、ということをよく自覚しておく必要がある。
お祭り気分で精神が高揚していると、ついつい無理をしてしまいがちであるが、しっかり食べ、飲むこと、こまめに動き、休むこと。この全ての基本は忘れずに。
ダイエットなどをしている人も、こういった日常とは全く異なる環境下では、しっかりエネルギーを摂るようにしてほしい。
救急車で途中退場、ということなく、無事楽しく3日間を終えて帰宅し、そのまま笑って新年を迎えよう。
単独行の参加者や個人サークルでは、トイレなどで並んでいる行列やスーペースを離れたいという時に困ることが多いかもしれない。
しかし、周囲の人達も同じコミケの参加者なのだ。ちょっとしたマナーさえ守って声をかければ、喜んで協力してくれるはずだ。そんな、コミケのマナーを少し紹介しよう。
まず、大切なのは、時間に余裕を持って行動することだ。例えば一般行列は会場時間になったら移動のために立ち上がるし、サークルも閉会時間が近づけは撤収を開始する。そんな時に列やスペースを離れるのは迷惑でもあり、また混雑に巻きこまれたり、風景が変わってしまって元いた場所に戻れなくなってしまったりする。
そういった事態を避けるためにも、また、特に女性用トイレは、常に行列を経ないと入れない場合が多いので、そういった時間的、体調的な余裕を考慮に入れても、行動を起こすのは早めがのぞましい。
次に大切なのは、周囲の人は、好意であなたを助けてくれている、ということだ。
しごく当たり前のことだが、離れている時間は極力短くし(隣のサークルに留守を頼んで延々出たきりなどというのは論外だ)、また、相手にかける負担も少なくするよう、心がけておかねばならない。そうして、戻った時には礼を述べ、今度周りの人が出るような際には、積極的に手を貸すようにしよう。
『困った時はお互いさま』の精神は忘れずに、お互い気持ちよく助け合いたいものだ。
トイレなどで列を離れる際には、周囲の人にその旨を告げ、相手の返事を確認しよう。一方的に告げて出てきてしまってはいけないし、相手の都合は最大限尊重しなければならない。
また、荷物を置いていく場合でも、最低限財布と携帯電話や他の貴重品は必ず自分で携行しよう。それに加えて、ハンカチ、ポケットティッシュ、ウェットティッシュなどをまとめたポーチなどを用意しておくとよいだろう。
買物の場合には、周囲の人にも何かついでがないか聞いてみよう。
自分の列を外れる場合は、周囲の風景(特に列と列の間から見える建物や、ランドマークとなる清掃局の煙突などの位置関係)をよく覚えておこう。
携帯にカメラが付いている場合はその風景を撮影しておくのもよいかもしれない。
喫煙や電話などの際にも、きちんと一声かけて列を離れよう。特に煙草の場合は煙の行先や吸殻の始末に至るまで気を使う必要がある。会場周辺でも間違っても吸殻のポイ捨てなどをしてはならない。
サークルの場合は上の行列の基本に加えて、不在の間に来客があった場合の対応も考えねばならない。
基本的には、現在スペースの上にあるアイテムの数をカウントして上に布などをかけ、スケッチブックなどに『外出中』の表示を明記した上で、売上、釣銭などを全て持ってスペースを離れるのが基本となる。
間違っても隣のサークルに販売作業を委託したり、金銭を預けたりしてはいけない。
自分自身が買いものに出る場合などは、その目的でスペースを空けることを隣にも表示にも明示し、可能ならば戻る予定の時刻も明記しておくとよい。
ノートなどを用意して、メッセージを残してもらうのもよいだろう。
戻ったら、アイテム数を再度カウントし、きちんと両隣には挨拶を忘れずに。
年末ということで、コミケに来る以前の時点で無理を重ねている方も多いことだろう。
また、今回が初参加で、状況も環境も予想がつかない、というビギナーさんもいると思われる。
それで3日間というコミケに突入し、その後明る新年を迎えるためには、念入りな準備が不可欠であり、そういった準備や対策についての情報は、積極的に交換されていく必要がある。
コミケを取り巻く状況が変化していくに従って、必要となるノウハウや準備もまた変化していくが、コミケでは十数万人の参加者が、回ごとに少しでも快適に、便利に参加しようと知恵をしぼり、工夫を重ねているのだ。
これはコミケという世界一のホビーイベントの大きな財産である。
これから参加してくる人に、これまで受け継がれてきた理念やノウハウをきちんと受け渡していくこと、それこそがコミケが成長していくという事にほかならない。
コミケの掲げる『全員参加者』の理念は、参加する人達全てがお互いに助け合うことによって、意味を持っていくのだろう。
これをお読みのあなたも、知りたいことや、教えたいことがあったら、是非助け合いの輪に加わってほしい。
独りで参加するよりも、みんなで助けあった方が、間違いなく快適で、楽しいコミケを過ごせるはずなのだから。