サークル参加者編
chapter1 時を視よう
サークル参加は時間との勝負だ。朝の入場から帰りまで、時間と周囲の状況を気にしながら動かねばならない。サークル参加者は全員同じ予定に合わせて行動している関係上、どうしても行動が集中しがちになる。スケジュールは完全に把握した上で、その集中をどうかわしてゆくかが頭の使いどころなのだ。
check1 タイムスケジュール
全日共通
06:30 駐車場開門
07:30 サークル入場開始
09:00 サークル入場終了 宅配便受け取り一時終了
09:30 サークル受付 見本誌提出 販売準備
09:30 各地区出入口閉鎖
09:45 不審物一斉点検
10:00 開場 一般入場開始 (宅配便受取再開放送)
12:30 不審物一斉点検
13:00 宅急便受付開始
*11日は15:00より湾岸花火大会交通規制開始
15:45 不審物一斉点検
16:00 閉場
17:00 宅急便受付終了 (前日搬入開始)
19:00 開場閉鎖 (会場の誤植?) 駐車場閉門
最終日(12日)
16:00 閉会
16:30 机・椅子撤収開始
18:30 撤収完了 反省会(自由参加)
19:00 完全撤収 駐車場閉門
[サークル入場]
サークル入場時間はたった90分。その中で全サークルが効率よく入場するためには、『当日その場での予定』を減らしていくしかない。入場口で待ち合わせなどは、時間的にも混雑の面からも得策ではない。事前準備、連絡は念入りにしておこう。特に携帯電話(メールも含む)は8時ごろから通じにくくなってくるので、携帯以外の連絡方法を決めておいたほうがよい。特に自家用車で来場するサークルは、ちょっと渋滞に巻き込まれただけで簡単にタイムオーバーになってしまうが、遅刻は自分の責任。間に合わなかったときは無理を言わず準備会の指示に従おう。
[販売準備・受付]
見本誌登録をスムーズに行うために、参加登録カードと見本誌表は必ず事前に記入し、荷物の取り出しやすい場所に入れておこう。自分のスペースについたらまず不審物チェック、次に参加登録準備だ。受け付けさえ済ませてしまえば開場までは結構時間がある。ゆっくりチラシの分別や販売準備をしよう。ただし、買い物などは早目に済ませないと出入り口封鎖で締め出されてしまうかも。
準備が一段落したら、忘れずに近隣のサークルにも挨拶をしておこう。
[販売]
これについては言う事はない。周囲に迷惑をかけていないかだけをよく確認しながら、自分の作品を見てもらうべく最大限努力すべし!
特に声を上げての呼び込みはコミケの風物詩ともいえるが、近隣のサークルに必ず許可をもらうようにしたい。せっかく隣近所になったのだ。一期一会の心で1日お互いに気持ちよく過ごそう。
特に、個人サークルの場合はお隣にお世話になることが多い。トイレや買い物のときも一声かけた上で貴重品は必ず持ってスペースを離れ、用を済ませたらできるだけ急いで戻るようにしよう。
[片付け・撤収]
できれば開場時間いっぱい販売を続けたいところだが、帰りの混雑を考えれば多少早めに帰るという選択もアリだろう。自家用車で来場しているサークルは早目に動き出さないと渋滞に巻き込まれかねない(2日目の花火大会などは要注意だ)。
周囲のサークルより先に帰る場合は、販売の邪魔にならないよう特に注意して片付けを行い、両隣のサークルにはきちんと挨拶をしよう。この場合椅子は机の上に上げずに、隣のサークルに『使ってよいので、帰る時に一緒に机の上に上げておいてほしい』と頼んでおこう。まだ販売している最中に隣に椅子を上げられてはよい気分はしないし、机に立てかけると机が倒れる危険性があるのだ。最終日は机、椅子の撤収がある。帰る時間に余裕があるならぜひ参加しよう。自分の使った机、椅子を運ぶだけでも充分だが、もしそれができない場合は一分でも速やかに会場を出ることも協力のうちと思えておこう。片付け作業が始まっているのにいつまでも机を占有したり、会場の隅で座り込んでいるなどというのは最低の身勝手だ。
サークル参加は、一般参加以上にセルフコントロールやマナー、ルールの厳守が要求される。いや、それが可能だと信用されているからこそ、あなたはサークル参加者として認められているのだ。周囲への目配り、気配りを忘れずに。
chapter2 活用のススメ
1サークルに与えられた空間は机半分、椅子2脚とその背後2m弱。そこに最大3人の人間とその荷物、おまけに本まで入るのだから大変だ。自分のサークルの荷物を与えられたスペースに納めることが周囲のサークルとうまくやる最初の一歩。さらに、サークルとして何を用意すべきか? 考えることはつきないぞ。
check2 ダンボール箱は大切に
本が入っていたダンボール箱、片付かないからと早々に捨ててしまってはいないだろうか? それはもったいないぞ。スペース内の整頓のためにはダンボール捨てるべからず、なのだ。
スペースについたら今日販売する本をまず箱から出し、冊数を確認する。本は新刊なら何十冊かごとに包装されているので、机の下にダンボールを1枚敷くか未開封の箱の上に包装のまま積む。この時点で箱から出してしまうのは箱を活用するためと、箱に入ったままだと本がすぐに取り出しにくく、角などを痛めてしまいがちだからだ。さて、その空箱にメンバーのカバンの中で最も不定形なものか不安定なもの(ナップザックやトートバッグなど)を入れてしまおう。後はその箱を中心に荷物を並べればそれだけでもずいぶん片付く。箱が複数あればきちんと並べてガムテープなどで仮止めした上で、食べ物や飲み物はこの箱、買った本はこの箱と決めておくのも言い。これなら買った本の不安定な紙袋がスペース内を塞ぐという事態も、せっかく買った本を蹴飛ばされたり曲げられてしまうという事態も防げる。
スペース内に余裕があれば箱に大き目のビニール袋を入れて周囲のサークルと共同で使うゴミ箱にすればかさばらないし、感謝もされる。潰して荷物の下に敷けば埃除けになる。片付けの時にどうしても余ったらそのとき初めて捨てればいい。『ダンボール、捨てるは易し、されど得難し』なのだ。開場中は最大限活用しよう。
check3 備えあれば憂いナシ
せっかくスペースという基地を与えられ、一般参加者より多くの荷物を置くことができるのだから、ほんの少し、みんなに役に立つアイテムも荷物に加えてみてはいかがだろうか? 特に自家用車来場をしているサークルならば多少荷物が増えてもそれほど苦ではないだろう。
そのアイテムとは、『工具箱と救急箱』である。専門的なゴツイ物である必要はなく、カバンに入れるにはちょっと重くてかさばるな、と一般参加者なら思う程度のもので充分。世の中、それがないとどうしようもない者、というのがそれなりに存在するのだ。
サークルがそういった装備を持つようになり、一般参加者も含めてお互いに助け合えるようになれば(少なくとも自分のサークルのメンバーの面倒が見られるようになれば)、準備会にかかる負担もいくらかは軽減できるハズだ。
参加者はお客様ではない、というのはコミケの大前提だが、同人誌を売る、買う以上のもう少しだけ積極的な助け合いをはじめてもよいころだろう。
それで『あの〜、徹夜行列してたんで風邪ひいちゃったんですが、風邪薬くれませんか?』なんてオロカモノが居たらメ一杯冷たく断ってあげよう。
スペースに用意しておこう! 救急箱と道具箱
上の話に出てきた『用意しておきたいもの』の一例を挙げてみよう。今やほとんどが100円ショップで揃うものばかりだ。
必要としていそうな人がいたら、知らない人でも貸してあげるのが基本だぞ。
救急箱:バンドエイド各サイズ 消毒薬(マキロンなど) ガーゼ2,3枚 ピンセット サージカルテープ 急冷パック ウエットティッシュ ポケットティッシュ ハンカチ(清潔なもの) 湿布・痛止軟膏(インドメタシン剤など) 風邪薬、頭痛薬、胃薬、下痢止薬など
道具箱:針金(シンチュウ線がやわらかくて使いやすい。0.3mmくらいの太さのもの) プライチャー(ペンチの親戚のような工具) 瞬間接着剤(ゼリー状のもの) 針と糸 ガムテープ(『梱包テープ』と呼ばれるナイロンのものが良い) ビニールテープ(絶縁テープ) ビニールひも(荷造りひもなど) カッター ドライバーセット ライター
針金やひもの結び方など少しは調べておくとよい。このくらいの道具があれば壊れたカート位は楽に修理できるぞ!
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サークル参加者編のまとめ
参加希望者は増える一方で狭き門。ダミーは論外だが、初参加でも常連でもスペースはそのジャンルを愛好する多くの希望者の中からコミケという場を作るために与えられた責任だ。あなたの影で落選し涙を飲んだ人が必ずいる。『与えられたチャンスを愛好するジャンルを盛り上げるために全力投球する』、サークル参加の基本を再認識しよう。
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